リノベーションの秋

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秋はリノベーションの季節です。

というのは現場が涼しいというのが大きな所ではありますが、快適に現場が進む分、色々なところに目がいき、気づきが多くなります。職人さんのいらいら度も比較的落ち着き、工事の進捗も良いように感じます。

さて、現在、神戸の岡本で「みんなの不動産」とのコラボプロジェクト「2ndcycleDevelopment」 が進行しています。阪神間地区の閑静な住宅地で当時の潮流が良く反映された優良なストックをリノベーションし販売するプロジェクトになるのですが、今回は特に、外観や中庭に当時の世界観が反映されている建物の雰囲気が、何か北欧のゆったりとした時間と結びつくのではということで、「岡本」×「北欧」というコンセプトでデザインを行っています。現在、猛スピードで工事が進行しています。さてどのような仕上がりとなるか楽しみです。

 

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また、その午後に鶴橋で長屋リノベーションの現地調査を行ってきました。長屋の改修は僕自身にとってルーツそのものです。大阪市立大学の中谷礼仁建築史研究室で行った「福島の長屋改修63」以来になります。その時は建築の事など何も知らない分からないまま、実測調査し、図面をかき、模型をつくり、現場に毎日常駐していました。この全体的な一連の建築行為はそれ以後の部分的な日常の経験と関連させることで、自身の建築感につながっていると思っています。

 

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それはさておき、現地調査では、解体実測の際に用いる実測野帳図面を作成し、現状の寸法、構造を正確に記録することから始まります。僕が寸法を測り、スタッフが記録する。懐かしい行為に浸りながら、この建物を数値化し、スケール感を記録、実感していきます。そして、小一時間計るときには、建物の構造と要望に対するイメージみたいなものが掴めてくるのです。こうして測量する事は、「過去」と向き合う行為であり、設計とは、「過去」を使う行為になります。というのは、その時の先生が言っていたお話です。

 

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いずれにせよ、快適な秋の工事現場や実測調査によって、色々と思いを巡らせる事ができた週末でありました。

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